成長のための逆境は誰も用意してくれない(川口)
時代は逆境を用意してくれないので、
自分でハングリー精神を磨くしかなくなりました。
学校でも、社会でも、
先生や上司が〇〇ハラスメントという言葉を恐れて、
理不尽に厳しい対応はできなくなりました。
まだ僕が学生の時代は多少の理不尽さは残っていました。
部活でキャプテンをやっていたこともあり強く感じていたのかもしれません。
僕よりも上の世代の方々は、
日々理不尽との戦いだったことでしょう。
僕は決して厳しい対応や理不尽な対応を肯定している訳ではありません。
しかし、理不尽さによって養われる力もあったと感じます。
厳しい人に出合い、理不尽な対応をされても、
指示に従うことしかできない。
それでも心の中で、良い意味で、
「絶対に見返してやる」というハングリー精神が養われたと思います。
もちろん暴力でやり返すということではなく、
運動であればプレーで、
勉強であれば点数で、
という意味です。
理不尽さの加減を見誤ると
良くない方向に事は流れていたのかもしれませんが、
仲間にも恵まれ勉強でも部活でも向上心を持ちながら歩むことができました。
でも時代は変わりました。
そういう環境はどこにもありません。
あったとしてもその状況はすぐに見つかり、問題となり、
その人はポジションを失うことになります。
バランスの良い理不尽さのおかげで成長ができたと思います。
ある意味、理不尽さに直面すれば勝手に成長するという、
レールの上を歩くだけで良かったのです。
今はそのレールはありません。
誰かを見返してやるというエネルギーを持つことは、
ほとんどないと思います。
その成長の仕方が正しいかはさておき、
成長するチャンスは今より多かったことでしょう。
どうやってハングリー精神を養うか、
どうやって向上心を持たせるか。
第三者ではなかなか難しいというのが本心です。
何かに全力で取り組むことでしか悔しいという感情も生まれないでしょう。
それが勉強でなくてもいいので、
一生懸命になれるものを見つけて欲しいなぁと
面談をしながらふと感じました。
もちろん一生懸命の対象が勉強なら、全力で手助けしたいと思います。