蘇民将来・・・

 

 インターネットのニュースで、岩手県奥州市にある

黒石寺で行われていた「蘇民祭」が、その歴史に終止符を

うつとありました。1000年以上続いた奇祭として、

国の選択無形民俗文化財にも指定されていたようですが、

高齢化と後継者不足により、祭りの継続が不可能となった

ようです。

 

 私は、この岩手のお祭りを知らなかったのですが、

この「蘇民」という言葉にはピンと来ております。

三重県の伊勢において、多くの家屋や商店の玄関などに、

「蘇民将来子孫家門」という護符が貼ってあるのは、

有名であります。これを略して「笑門」という護符も

同様にメジャーであります。

 

 風土記に記されている逸話が起源で、蘇民将来と

いう名前の方の家にお世話になったスサノウノミコトが、

疫病退散のために、この文言を玄関に飾る様に伝え、

それ以降ご加護があるというお話ですね。ちなみに、

短くして「将門」としていたのですが、平将門と混同

することを恐れて、「将」と言う字を「笑」に変えて、

音を残したそうです。

 

 しかし、1000年の歴史に幕を下ろすという事が、

何か歴史的に深い感じが致しますね。決してこれが

特別ではなく、様々な事が同様に、失われていく気が

致します。