「言葉の力」③(瑛作)
前回までに書いてきたように、「言葉の力」はどの教科においても必要なものであり、
それどころか、勉強面以外においても不可欠なものです。
難しいところは、「言葉の力」が備わっている人にとって、
「言葉の力」が弱い人がどのようにつまずいているのか、
簡単には理解できない点だと思います。
親御さんがよく言う、
「なにが分かっていないのか分からない」
「なぜ読めないのか分からない」
こういった悩みは、お互いの「言葉の力」のギャップからくるものです。
学校や塾の、いわゆる先生と呼ばれる立場の人間は、
そのギャップを埋めるだけの経験値があり、
今までの子たち踏まえて、何につまずいているのかを想像しています。
なので、予想するその子の現状を踏まえて、対応することが可能です。
しかし、これはあくまで応急処置のようなものであり、
根本的な解決にはなっていません。
しかも、あっというまに解決!といった方法は、おそらく存在しません。
「言葉の力」が弱い子には
日常から「言葉の力」を意識した接し方をするしかありません。
・こちらから伝える言葉を砕かない
・短い断片的な言葉のみでやりとりをしない
・子どもからの言葉も、しっかりと文章にさせる
・間違った意味や言い回しは言い直させる
・なにより、コミュニケーションを丁寧にとり、
その日の出来事などを、まとまりのある文章で話させる
こういった日常の中でしか、「言葉の力」は育ちません。
お子さんの「言葉の力」に弱さを感じたときには
ご家庭でなるべく多く会話してください。
まとまりある文章で、言葉にさせてください。
聞く側に「言葉の力」があり、子どもの言いたいことが途中で理解できたとしても、
聞く側が先回りせず、最後までしっかりと話させてください。
そうすることの積み重ねが、「言葉の力」につながり
いつか目に見える成果として現れてくると思います。